DXとは何か? 〜DX推進は企業の生き残りをかけた経営課題である〜

コロナ禍によって在宅勤務やデジタル押印、zoom会議など、遠隔・非対面・非接触の様式が浸透し、人々の価値観は変わってしまった。こうした変化がコロナ以前に巻き戻されることはなく、付加価値が生まれ、そして消費される場は、今後ますますデジタルに移行してゆくと思われる。しかし、経済産業省のDXレポート2によれば、日本企業の9割以上がDX(デジタルトランスフォーメーション)に未着手か、断片的な着手に留まっているという。

DXとは、生き残りのために必須の経営課題だ。人々の固定観念が変わった今を企業変革のチャンスと捉え、既存のビジネスをデジタルにリデザインできるかどうかが企業の生き残りを決める。ここでは、経営トップが押さえておくべき、DXの定義と本質、推進上の重要ポイントについてわかりやすく説明したい。

DXはシステム刷新やデジタル化ではない。変化を生き抜くための企業変革である

そもそもDXとは何か。世の中には様々な定義、解釈が存在するが、経済産業省は以下の様に定義している。

「DXとは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」(経済産業省 2018年12月DX 推進ガイドラインより)

すなわち、DXとは、デジタル技術を前提とした現代の市場環境に合わせて、既存の組織やビジネスプロセスをリデザインする企業変革なのである。多くの人がDX=デジタル化と勘違いしているが、デジタルは前提であって目的ではないのだ。

コロナ禍により、環境変化にスピーディに適応できた企業とそうでない企業が明らかになった。今後、ビジネスを取り巻く環境変化のスピードは速まることはあっても緩むことはないだろう。変化に適応できない企業は、顧客獲得、優良な社員の獲得等々、あらゆる面で優位性を失なう。DXとは、変化を生き抜くことができる組織へ自社を変えてゆく、生き残りのための企業変革なのである。

DX成功のポイント1:DXは経営トップがリードしなければならない

なぜ、DX推進を経営トップがリードしなければならないか

企業の重要事項をスピーディに判断し、DXの必要性を部署間の壁を越えて社内に浸透させ、ビジネスモデルの変革など数々の課題解決を進められるのは、経営トップしかいない。DXは経営者の覚悟が求められる企業変革なのだ。コロナ禍で柔軟に対応できた企業を思い浮かべて欲しい。こうした企業では一様に、経営者が前面に立って働き方、ビジネスの進め方を変える意思決定を行ない、それを社内外に発信していた。

DX成功のポイント2:デジタルと組織改革に通じたPMのアサイン

デジタルと組織改革の両方に通じたPM(プロジェクト・マネジャー)は、成功を左右する重要ポスト

DXを成功させる上で、経営トップのリーダーシップに次いで重要なのは、実際にDXを推進するプロジェクト・マネジャーである。企画・営業担当役員や、IT責任者などをとりあえずのDX担当役員に据えるケースが多いが、DX推進には、変化し続けるデジタル技術への知見と、組織横断でスピーディな変革を行うプロジェクトマネジメント力の双方を持つ人材をアサインする必要がある。そんな人材が社内に存在すれば良いが、存在する会社の方が実はレアである。あなたの会社では、他に人材がいないからと経験のない者を安易にアサインしてはいないだろうか。人材がいなければ外部から採用するなり、プロを活用すれば良いのである。

DX成功のポイント3:最も重要なのは、顧客視点での課題の明確化

変化するビジネス環境の中で、顧客にどんな付加価値を提供するか

コロナをきっかけに、顧客の消費場所がオンラインへ急速にシフトしている。かかる環境下で顧客にどう付加価値を提供するか、いま提供しているサービスや商品自体をそもそも変える必要はあるのか、こうしたことを今一度考え直す転換点にある。DXとは、企業としての今後のビジネスをどうしてゆくか、という経営戦略なのである。この際に最も重要なのは、顧客視点である。顧客視点でいま提供できていない付加価値が市場に存在するか、今の商品・サービスを顧客の求める方法で提供できているか、など自社の課題を顧客視点で明確化し、課題を解決するための戦略、施策を組み立てる、といった流れで考えるのがよいだろう。

DX成功のポイント4:DXの費用対効果

DXに係る費用とその費用対効果

DXに係る費用は企業規模、取り組み課題とその領域の範囲によって変わるため、一概には言えないが、大企業ほど変革の規模、影響範囲が大きいため、企業規模と必要コストは比例する。

新規システム開発も含むような大掛かりなDX推進プロジェクトになると、その費用相場は数千万~数百億規模になる。そのため、大掛かりなDXを行える企業は、数百人、数千人の従業員を抱える大企業に限られてしまうが、見方を変えれば、中小企業にはそれほどの規模の費用は必要ないとも言える。そもそも大掛かりなシステム開発を伴わない中小企業であれば、戦略立案、アプリケーション導入などを伴う業務見直しと言った風に、巨大なコストをかけずともDXの推進は十分可能なのである。

中小企業のDXにチャンス有り 〜効率的導入により優位性を築く〜

デジタル前提なら、中小企業であってもグローバルに戦える

DX推進では一見、大企業が有利なようにも見えるが、決してそんなことはない。大企業は組織が大きく、すでに構築されたビジネスモデル、レガシーシステムが有り、変革には多くの課題や組織の壁が存在する。一方、中小企業は、資金力と人材の層の厚さでは大企業には劣るかもしれないが、スピーディな意思決定が可能で、組織の柔軟性も高い。そもそも、DX導入と言っても大掛かりな投資が不要なので、経営トップの力強い意思・コミットメントがあり、DXに精通したプロジェクトマネジャーがいれば、DXの推進は十分可能である。

デジタル前提の世界では、中小企業であっても、顧客ニーズを的確に捉えたデータドリブンなサービス・商品を最適な形で提供できればグローバルに競争優位を築くことも可能である。

他方、大企業は、付加価値創出の前提がデジタルにあることに、もっと真剣に危機感をもつべきだ。顧客ニーズではなく、社内政治や部署間の壁、従来通りの業務のやり方に拘っていては急激な環境変化に適応できなくなり、顧客、そして従業員も離れてしまうのだ。

まとめ

ここまでDXの定義と成功のポイントを簡単に説明した。自社に人材がおらずDXコンサルの導入を検討したい場合はこちらの記事も参考にして欲しい。

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Ryoji Takada

Ryoji Takada

座右の銘は質実剛健。PDCAをやり遂げプロジェクト収益化まで愚直にやるのは得意分野。あだ名は夜桜で、昔は格闘技のプロであった時の名残。バイクとファッションと格闘技が好き。

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